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2006.04.22

客寄せパンダの美学

ファイターズ新庄の引退発言が様々な波紋を呼んでいる。
過去の栄光にしがみついている思想貧困球団に、いまだにしがみついている桑田は批判的だが、考えが明らかに古い。いくらチームに貢献した実績があるからといって、二年に渡って迷惑をかけるのは大いなる過ちではないか。後進の指導がてら二軍で頑張るというならまだしも、勝てるかどうかわからない、というか負ける公算が大きい状態で一軍公式戦のマウンドにあがるのはチーム全体に多大な迷惑をかけている。
桑田曰く新庄の「かるい野球」が良くないそうだが、桑田こそチームを軽んじている。自分だけで勝手に自分の存在を重く考えて「重い野球」をしている。もう、華々しい引退は出来ないのに、自分の衰えを受け入れられない哀しさ。そこに、「かっこよさ」は、みじんもない。健気さも感じない。実力よりもブランドで勝負する球団にいるから。新庄、ずるい、新庄、きたない、と思っての発言ではないか。裏を返せば、新庄のようにできればよかった、という泣き言なのではないか。自分がタイミングを逸してしまったがための。

これに対して、新庄は引き際を相当真剣に考えて、この時期に引退発言をしていると思う。
まず、集客面。シーズン終盤に引退宣言しても、「引退効果」による集客増は僅か数試合、しかもその多くがチーム成績にはあまり貢献しない消化試合になるだろう。今言えば、現役の新庄見たさに、少なくともホーム約50試合の観客増が見込める。フランチャイズが札幌になったからいつでも観られるさ、と思っている地元の人をシーズンの早い時期に呼び込むことができる。この時期に球場で試合を観れば、新庄以外の魅力をも発見して、シーズン中にまた球場に足を運びたくなって、ゆくゆくはリピーターになってくれる可能性が高い。新庄ファンをファイターズファンに昇華させるには、絶好の時期なのである。もちろん、集客増によるチーム成績向上も見込める。
チームとしても、新庄のいない球団をどう盛り上げていくか、若手の頑張りを見ながら、じっくり計画を立てられる。無駄に高額な年俸で新庄を引き留めるよりも、ずっと合理的なチームづくりができる。
本人も、シーズンを終えてまだ調子がよかったら引退宣言を撤回すればいいし、辞めてもハレーションは少なくて済む。
新庄ファンにとっては悲しい知らせだろうが、全体的にはいいことづくめなのである。
新庄、つくづく、底知れなく、素晴らしい選手である。
とりあえずは、お疲れ様でした。

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